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【蔵からのおしらせ】  今日はポカポカ陽気♪久しぶりにロッキーと ゆっくりお散歩しました。  ('16.03.17)   

蔵の中  -新刊本-  №43 [本・マンガ]

蔵の中に 新刊本が入りましたよ~!


チョッちゃん   -石井 宏・著-


この本を読んでから、結構日数が経ってしまいました。感想を書こうと思いながら、なかなか踏み出せませんでした。ついつい、涙が滲んでしまうのです。

チョッちゃんと言うのは、野良犬の母犬の名前です、チョッ、チョッと歩くところから つけたのだそうです。でも、この本に 題名になっている このチョッちゃんが登場するのは、第三章からです。最初は、なんだかな~って読み出したんですけど・・・。野良犬のチョッちゃんと その子供の面倒をみることになる西井家。その家庭の様子から お話は始まります。

西井家には、お父さん・お母さん・そして真美さんとお兄さんの4人が暮らしているのですが、この真美さんは 幼稚園や学校で よくゴタゴタを起こしたのだそうです。それは、わがままとかではなくて繊細な感受性と強い合理主義を身に着けていたからです。

ある日、幼稚園に行く前に やりたくないと言っていたピアノのおけいこをやって、お母さんに褒めてもらったので 意気揚々と幼稚園に出かけ、若い先生に 「あのネ!けさネ!お勉強してきたの」って言ったのだそうです。そしたら、その先生・・・なんて言ったと思います?

「先生は、朝お勉強なんかしてくる子は大嫌いよ」

そう、言ったんですって。信じられます?小学校でも ありました。飛びぬけて音楽が良くできたのに、成績が良くない。それで、担任の先生に尋ねたら・・・

「それは、試験の成績が悪いから」そう言ったそうです。

何故、成績が悪いか・・・。それは、音の名前をハニホヘトで書かなければいけないのに、ドミソとかAとかCと書いてしまうから・・・。音が合っていても、学校では教えてないから 教えてない事を書かない子は点数がもらえないのです。

なんて杓子定規なんでしょうねー?幼稚園の先生は、言語道断!小学校の先生だって、マニュアル通り・・。これで、よく子供が教えられますね?子供の心は踏みにじっても平気で、自分の管理能力にしか目が向いていない。でも、子供は先生を選べないんですよねー?結局、真美さんはインターナショナルスクールに通うことになりますが、またトラブルです。ですが、この時の校長先生の判断は「飛び級」でした。日本の学校ならば、本人への叱責、処罰、父兄に対する厳重注意となる所を・・・1年飛び級させて、欲求不満を解消させようとおっしゃったのだそうです。そして、放課後に英語の特別レッスンをしてくださってた若い白人の女の先生が、おっしゃったそうです。

「ひとりの子が落ちこぼれそうになったら、その子を落ちこぼれにしないように努力するのが教師の務めではありませんか?」

ぜひ、こういう先生が日本の学校にもおられることを願いますね。

さて、こうして二人のお子さんは成長していき、二人ともアメリカで暮らすようになりました。ご主人の清さんは、オーケストラのクラリネット奏者、奥さんの文恵さんは、打楽器特にティンパニーを担当。お二人の暮らしの中には、数匹の猫と犬がいました。そして、庭に来る外猫ちゃんにもエサをあげていました。

そんなある日です。外猫ちゃんにエサをあげていると・・・。5~6m離れた所から、じっとみている犬がいます。おそろしく痩せた犬で、腹はひどくくぼんでいるし、毛もほとんど抜けているようす。そこで、外猫ちゃんの食事が終わったところで、そのコにエサをあげてみました。すると、凄まじい勢いで食べるのです。痩せて ぺったんこだったお腹がぽんぽんに膨れ上がるほど。そして、よく見ると乳房が見えるのです。そんな、見るからにみすぼらしい犬・・・それが、チョッちゃんだったのです。

チョッちゃんは、毎日毎日エサを貰いにやってきました。けれども、ぽんぽんに膨れ上がるほど食べているのですから、太ってきても良さそうなのに 次に来る時には またガリガリ・・・。一番食べた時には、チャム4缶(1.6㎏)さらに牛乳三合(540g)合わせて2㎏を平らげたんだそうです。それでも太らない!                                                                                                                                  実は、チョッちゃんは子犬を空き家で育てていたのです。もらってきたエサを吐き戻して、子犬に与えていたのです。

ある日、いつものようにチョッちゃんがエサを貰いにやってきたのですが、何やら様子が違う。チョッちゃんの視線の先には、なんと子犬!チョッちゃんは、我が子を このご夫婦に託しにきたんです。そして5日後には、もう1匹!3週間後には、更に1匹!3匹の子犬を、西井さんご夫婦に託しにやってきたのです。

その後も チョッちゃんは、エサを貰いに来ていました。そこで、奥さんの文恵さんが言いました「チョッちゃん、あなたもウチの子になりなさいよ。」そして、用意していた犬小屋の方に連れて行ったら・・・チョッちゃんは中のニオイをかいでいましたが、やがてすっと小屋に入って まるで最初からそこがチョッちゃんの家だったかのように 前を向いて座ったんですって!

でね?驚くのは ここからなんです。西井家の飼い犬になったチョッちゃん。1ヶ月ほど経ったある日です。あんなに毛が抜けて、みすぼらしかったのに たった2日であっという間に全身の毛が生えて、立派な柴犬の姿になったんですって!前に、飼い主のご主人が亡くなられて 全身が真っ白になった黒ラブの事を書きましたが・・・、こんな事ってあるんですね~?中に写真が何点か入っていますが、ホントにふっくらして利口そうなお顔してました。

チョッちゃんが亡くなったのは、推定7歳。その最後の時も とてもチョッちゃんらしい最後でした。ほとんど迷惑をかけることなく、あっという間に 静かに、何にも苦しまずに旅立ったのだそうです。短い生の中で、西井さんご夫婦に出会い 本当に満足のいく犬生だったのでしょうね。

チョッちゃん

チョッちゃん

  • 作者: 石井 宏
  • 出版社/メーカー: 草思社
  • 発売日: 2005/10
  • メディア: 単行本


今回は、この1冊だけのご紹介です。そして、この記事で 何と400記事目です。1年経たないのに、400記事とは・・・。いかに私が おしゃべりかって事ですね(爆)

 

【おまけ写真】

 にくきゅう~

 

 ぬれぬれお鼻~

 

 爆睡中~

 

それでは また、ごひいきに~♪ 


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コメント 16

いちご☆

やった~~ 一番海苔~~~~!!
たまには 遅くまで 起きておくもんだね。(遅寝は 三文の得)

まずは 400記事 おめでとう~~[わはっ]
素敵な お話だね。 犬って お利巧なんだなって思った。
おちこぼれそうな時こそ 助けてくれる先生で あって欲しいですね。
弱きを助ける・・・そんな人間で 私も ありたいです。
by いちご☆ (2006-07-30 00:58) 

るきふぇる

こんばんは[にこっ]
私も遅くまで起きていてよかったです。いいお話に出会えました。
チョッちゃん…母は強し、ですね。子犬のためにおなかパンパンになるまで詰め込んでたなんて。でも、最後はちゃんと幸せに暮らせるようになって、本当によかったなあと思いました。
ロッキーくんは、いい飼い主さまと一緒でいつも幸せですね。飼い主さまは、たまに悪徳マネージャーに変身されますが…[わはっ]
爆睡中の寝顔がしあわせそうです。
by るきふぇる (2006-07-30 01:44) 

みーはー熊

☆いちごさん
あはは・・・、おはよう~!って書きかけたら・・・遅い方だったんだね?
ありがとう、気づいたら・・・400記事にもなってました~。[ぴーっ]

チョッちゃん、ものすごく賢いよね?話せないだけで、人間の良し悪しも しっかり見抜いてるし・・・。毛が2日間で生えたっていう話も やっと安心できたんだろうな~!って、思ったよ。それまで 放浪して、たった1匹で身を削りながら子育てしてきて・・・。この人たちなら、全てを委ねて大丈夫!そんな風に思ったんじゃないかな?
先生の話は、あまりにも対照的でね~。日本人の先生、しっかりしてよ!って、言いたくなっちゃったわ。
子供の心に寄り添える(それは、ただ甘やかす事じゃなくてね)人間でありたいですね!
by みーはー熊 (2006-07-30 08:36) 

みーはー熊

☆おもちゃのかんりにんさん
ホントに・・・母は強しです!
実は、犬嫌いの人達が 保健所に通報しろ~(マンションの住人が管理人に)なんていう1件もあったりしたんですよ。でも、管理人さんは、のらりくらり忘れたふりとかして、守ってくれたんです。何人もの人達の 心遣いで、チョッちゃんは西井家の1員になったんですね。
ロッキーはねー。だって・・・こんな顔して眠ってるんですもの。時折、母の心に悪徳マネージャー変身願望が生まれるのは・・・仕方ないでしょう?[べーっ]
by みーはー熊 (2006-07-30 08:41) 

おはようございます。
くま蔵400記事目にふさわしい本のご紹介ですね。
動物を愛するお宅だから、そこを選んでたずねてきたのかも。
嗅覚が知らせてくれたのでしょうか。
チョッちゃんの心(?)が安定したから、体毛が生え揃ったのかなぁ・・・。
いいお家にたどり着いてよかった。[にこっ]

いいお話をありがとうございました。[おんぷ]
by (2006-07-30 08:47) 

みーはー熊

☆kurumiさん
この記事は、3日くらい書いたり、消したりしてました。他にも下書きの記事は あったんですが、どうせなら400記事の節目の記事にしようと思ったんです。
チョッちゃんは、子供を預ける前に いろいろチェックしてるんですよ。最初、つけて行った時には威嚇して 住処教えませんでしたが、しばらくして奥さんを案内したんですよ。それから、1匹ずつ・・・それも手のかからない子から。
なんだか不思議な犬です。
そして、1匹で ず~っと奮闘してきて もう大丈夫!って思ったんでしょうね。写真のチョッちゃんは、とっても綺麗で賢そうなワンちゃんです。
by みーはー熊 (2006-07-30 12:00) 

ぴよこ

いいお話ですね。犬ってかしこいんですよね。場の空気を読めたりするし。先生の話も胸に残ります。子供の頃って感受性が強いし、いい事もそうでない事もその後に深く影響しそうです。私自身も反省、反省。
by ぴよこ (2006-07-30 13:52) 

nyapu

400記事おめでとございます♪
私も近いうちに追いついてみせまする(▼∀▼)
…あ、でもさぼりがちだからムリだったりして(汗)

先生って、先生だから人間的に優れているわけでも、先生となることが
どういうことかを深く考えているわけでもない人がいっぱいいますね。
私はハハから「先生とてただの人間。相性のいい人悪い人がいるのだから
あまり期待するな」といわれて育ちました(笑)
いい先生に当たればラッキーだと思えと。
そういう教育もどうかと思いますけどね。
by nyapu (2006-07-30 15:33) 

みーはー熊

☆ぴよこさん
ありがとうございます。特に、この犬は 子供を守ろうと必死だったんだと思います。
先生の話・・・やはり子供の心というのは とても傷つきやすいですからね。私も 先生の心無い言葉で、深く傷つけられた事があるので 余計に憤りを感じました。けれど、白人の先生の言葉は 何の気負いもなく発せられた言葉だからこそ・・・とても尊い言葉なんですよね。こういう先生が、1人でも多く増えてくれたらなぁと心から願っております。
by みーはー熊 (2006-07-30 16:34) 

みーはー熊

☆nyapuさん
ありがとうです~[おんぷ] は~い、待ってますよ~ん[はぁと]

あはっ、にゃぷさんのお母様 私と同じ事おっしゃってる!私も 娘たちに そう言ってま~す!だって、小さな子どもの頃には 先生って絶対的な存在でしょ?だからね・・・。合わない先生っていうのは、ホントに苦痛なんだよ~。大人にとっての1年と子供の頃の1年って違うし。(^^;
by みーはー熊 (2006-07-30 16:40) 

etsu

こんにちは[わはっ]
『チョッちゃん』、以前新聞で紹介記事を見たことがあって、私もいつか読んでみたいと思っていました。タイムリーです。
本当、『母は強し』ですね。虐待のニュースがある中、ワンちゃんでも必死に子育てしているのに。って思いました。子供が犠牲になる事件が最近多いので余計にそう思いました。
きっと、ごはんをもらっているうちに、チョッちゃんなりに『この夫婦なら大丈夫』と、思ったんでしょうね。信頼出来る、子供達を託しても大丈夫だと。
今まではごはんもろくに食べられずに、またもしかしたらいじめにもあっていたかも、しれません。きっと大変な思いをしてきたからこそ、チョッちゃんはご夫婦の愛情がとても嬉しかったでしょうし、やっとホッと出来たのかなって思います。
いいお話ですね。
by etsu (2006-07-30 16:47) 

エリカ

犬の話はステキな話が多いですよね。
チョッちゃん読んでみたいです[にこっ]

ロッキーくんぬれぬれお鼻で健康ですね[はぁと]
ゴンはもう何年もカラカラお鼻です[あせっ]
by エリカ (2006-07-30 22:51) 

みーはー熊

☆etsuさん
まぁ、新聞に取り上げられていたのですか?それは、知りませんでした(^^;
本当に、このところ嫌な事件で 幼い命が失われたり・・・虐待されたり・・・。そんな中、自らの命を削っても子育てを続けていた「チョッちゃん」には、頭が下がります。
でもねー、毛が生えてから お散歩に行ったら・・・いろんな方から声をかけられたのですって。という事は、何人もの方に 命のリレーをしてもらって 西井さんご夫婦へと託されたのかな~って、私は そんな風に思いました。
そして、チョッちゃんも ここがゴールって思ったのかもしれませんね?
まだまだ、ステキなエピソードが載っているんですよ。機会があったら、読んでみてくださいね。
by みーはー熊 (2006-07-30 23:00) 

みーはー熊

☆エリカさん
ホントにね~、犬はまっすぐですからね~。
ぜひ、機会があったら読んでみてね~[おんぷ]

ロッキー、元気すぎて・・・おばぁちゃんのエプロンに鼻突っ込んでは「また、濡らした~!」って、叱られてますよ!
by みーはー熊 (2006-07-30 23:03) 

森野熊蔵

いいお話だぁぁ~~~[わーん]
白人の英語の先生の言葉・・素敵だな~。
これが当たり前っていう世の中であって欲しい。

400記事おめでとう~~♪
これからの益々の発展を陰ながら祈っておりますゼイ!
by 森野熊蔵 (2006-07-31 07:29) 

みーはー熊

☆もりくまさん
おはよう~!
ねっ、このお話を紹介できて 嬉しいよ。
白人の女の先生こそ、ホントのプロの先生だよね~!

ありがと~[おんぷ]
これからも よろしくねん[はぁと]
by みーはー熊 (2006-07-31 08:08) 

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